会長から皆様へ – 経験を活かして感染症を予防しましょう!
全国的な感染症流行期に入りましたが、田村医師会管区の田村市、三春町、小野町でも インフルエンザそしてコロナウイルス感染症を発症する方が増加しています。
インフルエンザの症状は、咳・頭痛・鼻水・咽頭痛(のどの痛み)などの上気道症状が主ですが、これらの症状に加えて、発熱(38度以上)、倦怠感(ひどいだるさ)、関節痛などが起こります。一般の風邪と異なるのは、これらの症状が急激に表れることです。
今年コロナウイルス感染症の症状として報告されているものとしては、強い咽頭痛(のどの痛み)、発熱(38度~39度)、咳や痰、鼻水、頭痛、息苦しさ、倦怠感(ひどいだるさ)、消化器症状(吐き気・嘔吐・下痢)などがあります。
気を付けなければいけないことは、発熱がなく、鼻水やのどの痛みなど軽い症例が出るだけの人や全く症状の出ない人も多数存在することです。このような状態で、重篤化するリスクを抱えている高齢者・基礎疾患を抱えている人・乳幼児・妊婦などに接触してしまうことが心配です。症状が出ていなくとも「うつらない・うつさない」ための『予防行動を徹底する』ことの大切さがわかっていただけることと思います。
これらの感染症は、換気の悪い密閉空間・多数が集まる密集場所・間近で会話や発声をする密接場面、いわゆる『三密』で広まっていくことが知られていますが、年末年始には多人数が暖房のきいた密封空間のなかで長時間過ごし、間近での会話やカラオケなどを楽しむような機会も増えますから、油断せずに感染予防の対策をお願いいたします。
定期的に部屋を換気し、飲食の際は大皿から直に食べたりせず個々にとりわけるなど、経験を生かして感染を防ぎましょう。
手についたウイルスをしっかり取り除くための『手洗いや手指の消毒』、罹患を予防する手段としても周囲への感染を防ぐ手段としても有効な『マスクの着用』、免疫力を保つための『規則正しい生活』(栄養バランスの良い食事・質の良い睡眠)を心掛けてください。
また感染症は一般に気温が低下し空気が乾燥する季節に流行することが知られていますから、身体を冷やさず部屋の湿度(50~70%)や温度(20℃~25℃)を適切に保ちましょう。
現在コロナウイルス感染症では変異株「オミクロン株」の「KP.3」が主流になりつつあります。流行しやすい株といわれておりますので、周囲の皆様にも充分な注意喚起をお願いいたします。
これまでの経験を活かして感染症を予防し年末年始を健やかに過ごしましょう。